『エイリアン』
ゲオレンタル。スーパー名作。何度目か。1979年の映画。何度見ても発見がある。言わずと知れたエイリアン・シリーズ第1作だが、エッグ、フェイスハガー、チェストバスター、ゼノモーフ、あとエンジニアとその宇宙船。すべてが一気に登場している。リドリー・スコットがどこまできちんと構想していたかは不明だが、調査に降り立った惑星で発見したエイリアン(エンジニア)の宇宙船の不気味さは、すごい。でも、後半のノストロモ号でのエイリアンとの死闘になると、最初の謎はまったく関係してこない。その潔さ。
今回見て気づいたのは、宇宙船クルーの「労働者」感。コールドスリープから目覚めたら、とにかくボーナスの話。調査任務を拒否しようとしたら、「契約不履行で報酬がパー」と脅される。密閉空間のはずの宇宙船でむっちゃタバコ吸う(男も女も)。リーダーシップを発揮できない船長。会社(ウェイランド湯谷、という名前があるが)との雇用契約が、宇宙船クルーの行動指針であり規範となっている。まさに、単なる労働者。
もう一つは、エイリアンを意図的に宇宙船の内装デザインと重ねる。エイリアンが登場するシーンを極力減らすという演出を最大限に効果的にするために、映し出している宇宙船内部の一部(鎖、吊るされている宇宙服、ダクト・パイプ)に同一化させる。見つけにくい。エイリアンはオーガニズム(有機体)であるが、無機物でもある。人間が生身で宇宙に進出するようになったら、あんな感じになるかも?