『CURED キュアード』
アマプラ。前から気になっていた作品がセールで100円レンタルやっていたので即ポチ。アイルランドのゾンビ映画。普通のゾンビ映画と違うのは、ゾンビになった人を治療できること。curedと言われる回復者は、ゾンビ時代の記憶を持ちフラッシュバックに囚われながら、日常生活への復帰を目指す。しかし、社会からの差別が凄まじい。それも当然で、ゾンビだった彼らは狂ったように人間を食い殺していたのだから。「病気で自制心がなかった」と許すことは、理念的にはできても、実践するのはほとんど不可能だ。さらに、この治療法は75%のゾンビにしかきかず、残りの25%は感染者として隔離され続けなければならない。感染者=治療法のないゾンビは、回復者を「仲間」と認識するため攻撃を仕掛けない。…という設定のために、超絶、話が面白くなってる。人間vsゾンビのところ、人間vs回復者でゾンビをめぐって意見の対立が起こるのだ。人間にとってみれば人間ではないものだし、回復者にとってみればゾンビは治療法が見つかっていないだけの「潜在的な回復者」 となる。兄を食い殺した弟は、そのことを伏せたまま、残された兄の妻とその子供の家(自分の家でもあった)に身を寄せる。他方、弁護士で選挙にも出る予定だった男はゾンビから回復したところで、家族から拒絶され、与えられた掃除夫の仕事にも納得しない。回復者の権利運動に参加するようになる。
一般的ゾンビ映画的なシーンもなくはないが、メインとなるのは人間vs回復者の関係。