ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

個別性から普遍性を志向するのが文学――柳美里『ゴールドラッシュ』(新潮文庫)

ゴールドラッシュ (新潮文庫)作者: 柳美里出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/04/25メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見る 「14歳の少年が犯す殺人」ということぐらいしか知らなかった。世の中ではちょうど神戸の連続殺傷事件で…

男という特権――田房永子『男しか行けない場所に女が行ってきました』(イーストプレス)

男しか行けない場所に女が行ってきました作者: 田房永子出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2015/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見るだいぶ時間がたってしまった。まとまったものを書きたいと思っていた本なの…

どうやって言葉を紡ぐのか、葛藤というより困惑か――辺見庸『瓦礫の中から言葉を』(NHK出版新書) 

瓦礫の中から言葉を わたしの〈死者〉へ (NHK出版新書)作者: 辺見庸出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2012/01/06メディア: 新書購入: 1人 クリック: 65回この商品を含むブログ (16件) を見る 宮城県石巻出身の辺見庸が、311震災直後に語った言葉。元は2011年…

311の物語ではない、記憶の物語だ ――滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』(新潮社)

ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス作者: 滝口悠生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/08/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る 語り手、一平。バイクで東北地方を旅行中に転倒。そのまま記憶の旅にでる。高校時代に出会い卒業後に付…

震災後文学って何だ ――吉村萬壱『ボラード病』(文藝春秋)

ボラード病作者: 吉村萬壱出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/06/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (42件) を見る8年前の災害から復興しつつある海沿いの街・海塚。そこに住む小学生・大栗恭子が語り手。厳格な母親の厳しいしつけを受けながら、…