ゴミの生活(四代目)

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男という特権――田房永子『男しか行けない場所に女が行ってきました』(イーストプレス)

男しか行けない場所に女が行ってきました

男しか行けない場所に女が行ってきました

だいぶ時間がたってしまった。まとまったものを書きたいと思っていた本なのだが、その気持ちだけで筆が進まず。簡単に。思い出せる範囲で書く。

もとは同人誌(?)なのか。エロ本ライターとして働いていた彼女が、仕事でいった「男しか行けない場所」=風俗店・AVやエロ本の撮影現場で見聞きしたこと感じたことを、率直な筆で書いている。男にとって「がはは」が、女にとって実は全然そんなことはないのだけど、それに気づいていない(気づかされない)ようにするのが社会的規範としてのジェンダー。田房は現場では自分の声を押し殺し、本書の中で気持ちをぶちまける。個室ビデオでの恐怖感は確かにと思うものの、新幹線でも恐怖を覚えるというのは男にとっては衝撃であった。男である、ということがいかに特権であるのか。その特権を特権であると指摘することが、いかに男にとって恐怖なのか。王様の椅子の無根拠性を指摘された男は怒り狂う。(怒り狂った男を、どこかで見かけたことがあるだろう)

田房永子は注目している作家で、毒親や子育て関連の本(マンガ)も読んでみたいと思っている。