ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

『劇場』

アマプラ。又吉直樹の小説が原作。行定勲監督。劇場公開が新型コロナで延期。アマプラに落ちてきた。売れない(先鋭?)劇団で脚本・演出をやる永田。文字通り道端で衝撃的に出会った沙希と、恋人関係に。沙希は永田の芝居に出て好評を得るが、永田は沙希をそれ以上芝居に出すことはせず、沙希の部屋に転がり込んではヒモのような生活を始める。服飾系の学校に通っている沙希だが、永田との生活を続けるために学校をやめバイトを掛け持つように。永田は沙希の献身に応えるかというと、そういう素振りは見せず、はっきり言えば幼く甘えるのみ。自分の才能を信じきれない永田と、人の才能を信じ切っている沙希は、同じ場所にいながらも決定的にすれ違う。永田は一人暮らしを始め、沙希は飲む酒の量が増えていく。恋愛、それも純愛だ(特に性関係の描写が全くないので)ともいわれているようだが、私にはホラー映画にしか見えなかった。マジだ。自分のことを信じられず、だから他人の信頼も信頼として受け止められず、本当の気持ちを出さないことでしかプライドが保てず、結果、相手に寄生して、心身ともに食い潰す。それを「東京という街に飲み込まれた」的なナレーションを被せたのには恐怖しかない。彼女をダメにしたのは東京じゃないだろ、あんたでしょ。最後はなんかほっこりさせる感じにもっていっていたが、どうなん? ひょっとしたら沙希は女優として成功していたのでは? 彼女の芝居の才能にいち早く気がつきそれを恐れたのが永田なのでは。

劇場

劇場

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Prime Video