ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

クローズド・サークル+クローズド・サークル=? 矢野龍王『極限推理コロシアム』(講談社文庫)

(371文字)

クローズド・サークルのデスゲームもの。7人の男女がサークル状に配置された小部屋で目覚める。主催者からアナウンス。この中で殺人事件が起こる。犯人をあてよ。ただし、同じ構造のサークルがもう一つあり、そこでおこる殺人事件の犯人もあてなければならない。サークル間の往来は不可能。やりとりは通信のみ。

閉じられた輪(クローズド・サークル)で殺人事件が起こる、というのはよくある設定。自然とそうなってしまったものもあれば、本作のように「主催者」によって意図的に用意されたものもある。本作が面白いのは、クローズド・サークル×2であるところ。同時にクリアしなければだめ。情報のやりとりしかできない。その情報も、果たして本当なのだろうか? と疑心暗鬼になる。面白いのはそこで、悪い言い方をすれば、そこだけが面白かった…。

(本格なので、まあ、キャラ造形は目をつぶる)