ゴミの生活(四代目)

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「女子」を背負う ――ジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)


久しぶりの更新。年度始めの忙しさにかまけて、すっかり放置してしまった。今年は年間100冊読書をめざし、自分用の備忘録としてつけ始めたブログなのだが、早くもペースが乱れ、冊数も伸びず、ブログ更新頻度も低い…! まずはインプットを増やそう、そしてインプットだけしてもしょうがないので、少しずつ言葉を吐き出していこう(アウトプットしていこう)、ということなのだが…。なかなかうまくいかないのが、これまた人生でもある。

先日、鎌倉の日帰り小旅行に出たとき、読み止しの本を持参するのを忘れてしまった。しょうがないので、鎌倉についた瞬間にソーセージとビールを飲み、じゃっかんいい気分になってから駅前の本屋をふらり。

と、見つけたのがジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』の文庫版。TBSラジオのリスナーである私が、『TOP5』『相談は踊る』でジェーン・スーがいかにすごいしゃべり手であるかを知っていた。こういう人のエッセイは面白い(に違いない)、ということで購入。

「女子」にまつわるエッセイだ。仕事も楽しく、お金も自由に使える30代を満喫し、さて一息ついたところで、未婚・子供いない自分が、少し取り残されたような気がしているのはなんでだろう? いや、加齢によって、10代20代は受け止めきれなかった、あるいは言語化できなかった、もやもやとした「女子」にまつわる思いを、少しは客観視できるようになった、ということもある。女の働き方と男の働き方の違いも分かってきた。男は「やめないこと」が第一目標。働き続けることが社会的承認につながる。女は「結婚して子供を産み育てること」が、第一目標(にされてきた)。働く女は、だから男とは違う期待がかけられる。仕事を辞める、という選択肢も、男以上にある。よくもあり、悪くもあり。

「屈託のない女子」に敵愾心を抱いたこともある。でもそれは自分の気持ちの裏返し。だなんて話を読む。男サイドにも似たよなものはあるけれど、たぶん「女子」サイドほどに、圧迫感はないのだろう。そして「女子」サイドの圧迫感は、間違いなく男社会が生み出している。

難しい話をすれば、どこまでも広げられるトピックを、しかし平易でなによりもユーモラスに語るジェーン・スー。きっとこれもフェミニズムの一つの到達点(というか通過点)なのだ。