ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

『弁護人』

アマプラ。レンタル100円。1981年の韓国・釜山。高卒出の弁護士ソン。不動産登記や税金対応で手広く事業を展開。そんな折、なじみにしている定食屋の息子が1ヶ月行方不明という知らせを。調べてみると警察に不当逮捕され、拷問されていることを知る。彼を含めた9人の学生の「国家保安法」裁判の弁護士として裁判序に立つことを決めたソンは、警察・検事・裁判官が、「国家」という名目のもと一体化して、暴力で人権を弾圧する場面を目の当たりにするのだった。1980年代の韓国は軍事独裁政権で、国家保安の名の下に一般市民を共産主義者として弾圧(逮捕、拷問、虚偽の自白による有罪判決、過酷な拷問により死ぬこともあった)していた。このあたりは『1987年』や『タクシー運転手』(こちらにはソン・ガンホも出ている)をみるとよくわかる。特に警察の弾圧があまりにきびしいので、「脱南」して北朝鮮へいく者もいたほどなのだ。ソン・ガンホが演じた弁護士は実際の弁護士出身の政治家で大統領にまで上り詰めたノ・ムヒョンがモデル。しかし、ノ・ムヒョンは大統領失職後に警察の取り調べを受けて自殺もしている。人権派弁護士だけれども、権力の座につくと…ということなのか。韓国の政治の世界は深すぎてよくわからん。軍事独裁政権が、自分たちの権力維持のために市民を弾圧したり、ときには北朝鮮と結託したり(『工作』では、選挙が自分たちに有利になるように北にミサイルを発射するように依頼する)なんてことがある。権力が集中し硬直すると、自己保存のために動き、周囲には権力のおこぼれをあずかろうとするものたちが集う、という話なのだ。 話はずれたが本作はむちゃくちゃおすすめ。

弁護人(字幕版)

弁護人(字幕版)

  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: Prime Video