ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

『プライベート・ライアン』

アマプラ。いわずとしれた第二次世界大戦(ノルマンディー上陸以降)の傑作戦争映画。ライアン二等兵(英語だと二等兵はプライベートという)を前線から帰国させる任務を請け負ったレンジャー隊の隊長ミラー。部下7人を連れて、ライアンが所属している空挺部隊(空からパラシュートで敵の勢力圏に落下して、活路を開く)を探す。なぜライアンを連れて帰るのか? 彼は4人兄弟の末息子で、上の3人が全てこの戦争で戦死してしまったから(1人はニューギニア、他の2人はノルマンディー上陸で)。アフリカ、ヨーロッパと戦線を転々としてきたミラーは実力もあり部下からの信頼も厚い。しかし、そんな彼でも任務の途中で部下を失っていく。1人を助けるために何人を犠牲にすれば良いのか? このライアン二等兵は俺たちが命をかけて迎えにいく「価値がある(deserve)」のか? と部下たちは本気で思う。作品の冒頭、よぼよぼのおじいちゃんが妻と子供と孫をつれて戦死した仲間たちが眠る墓地を訪ねる。泣き崩れるおじいちゃんとノルマンディーの上陸が重ねられ、「ああ、戦争の生き残りなんだな」と思わせつつ、誰が生き残ったのだろうか? と見るものは考える。息残った1人の男はやがて子供を、そして孫を持つ。という「命の連なり」でもある。が、それにしてもクライマックスは、おそらく墓地のシーンの直後のノルマンディー上陸作戦だ。ここで、徹底的に、人があまりにも脆く、残酷なまでにあっさりと死んでいく。それは物語のテーマで帳消しにできないほどに、圧倒的な「人間の命の軽視」なのだった。いままでに何度か見ていて、これが何度目かの鑑賞なのだが、約3時間の映画は、まったく無駄がない。

 

プライベート・ライアン (字幕版)

プライベート・ライアン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video