ゴミの生活(四代目)

最近はアマプラをdigってます

『西部戦線異状なし』

恥ずかしながら『西武新宿戦線異状なし』の方しか知らんかった。長らくGEOで探していたがこの度めでたくアマプラで古典名作開放されていて、その中の1つ。第一次世界大戦を特徴付ける西部戦線。フランスとドイツの間ひかれた戦線を押したり引いたりの塹壕戦。爆撃をしのぎ、敵の突撃に反撃。取り返した陣地から今度は相手に対して同じことをする。ひたすらの消耗線。学生を扇動する教師。頼りになるベテラン兵。いつのまにか自分も歳をとり、送られてくる補充兵はどんどん若返る。休暇で前線から故郷へ帰っても、ドイツの戦略をああだこうだ安全地帯で議論する父親とその仲間たちに感じるのは断絶。学校に立ち寄れば、英雄的なことを話すように扇動教師から促されるが、話せることは自分の体験した地獄のような戦場のことだけで、みんながっかりする。むしろ前線の方が「故郷」なのかもしれない。

ドイツでベストセラーとなった原作をアメリカで映画化。セリフは英語だが、作品の質に影響はない。

戦争、とくに第一次世界大戦以降の国家を総動員した総力戦がいかに不毛なのか、国家が一つの機械としてその国民を燃料に自律的に駆動する様を、ありありと描写する。 

西部戦線異状なし(字幕版)

西部戦線異状なし(字幕版)

  • メディア: Prime Video